特別養護老人ホームに入居している高齢者は、基本的に要介護3以上の人です。
そのため入居者のほとんどが、歩行、排泄、食事の際になんらかの介助を必要とされているため、仕事をする上では入居者の安全に注意を払うことが最も重要なことと言えます。
まず歩行については、車椅子を利用されている方が多いですが、中には自立して歩行できる方もいます。
しかし、例えばついさっきまで座ってテレビを見ていた方が突然立ち上がりトイレに向かうことや、夕方薄暗くなると突然「家に帰らなければ。」と歩き始める方もいます。
突然立ち上がる際は足下や頭がふらつくことがあるので、職員は見守りが必要です。
大きな声をかけたりせず、静かに近寄りましょう。
排泄については、尿意、便意を強く感じる入居者は、やはりトイレの訴えが多くなります。
職員の介助により自力でトイレに座ることができる方でも、立位がおぼつかない時があったり、車椅子や便座から滑り落ちたりすることもあります。
普段足下がしっかりされている方でも、介助の際はいつでも支えられる位置で見守ることが重要です。
最後に、食事については、高齢者は食べ物を飲み込む力がだんだん弱っていきます。
うまく飲み込めなかった食べ物が食道ではなく肺に流れることにより、肺炎を起こすことがありとても危険です。
食事の際は、口に入った食べ物をしっかり飲み込めているか、喉元を注意して見守る必要があります。
また高齢者は歯や咀嚼機能に問題を抱えていることが多く、食物を噛み切れず、喉につまらせてしまうことがあります。
食事やおやつを提供する際は、入居者の手が届く範囲に置く前に必ず小さく刻む習慣をつけておけば、少しでも不安を取り除くことができます。