特別養護老人ホームには要介護3以上の高齢者が入居しており、介護職員の仕事は身体介助がメインです。
介護職員は、24時間の営業時間内で2つか3つのシフトに分けて勤務しているので、交代時にはスムーズな引継ぎが望まれます。
そのため、排泄介助や食事介助も勤務時間内で行うことを重視している施設は珍しくありません。
入居者の食事のスピードや排泄のタイミングなどは千差万別ですから、本来は入居者に合わせて介助を行なうのが理想と言えます。
ですが現実的には難しく、理想とのギャップに苦しむ介護職員も多いのではないでしょうか。
とは言え自分だけが入居者に合わせて仕事を行ってしまうと、今度はチームワークの輪を乱しかねません。
チームワークを第一に考えることは、介護の仕事で大切なことの一つです。
その上で意見を出し合う機会を見計らって、より良い介護サービスにする方法を提案するといいでしょう。
そのためには具体的な案を練っておくことのほかに、現状のやり方に不満があることを全面に出すのではなくそうせざるを得ない状況であることに理解を示すことが大切です。
先輩達が長年勤めてきて、仕事を円滑に進めるために確立された業務方法なので、そこに対して尊重する気持ちは必要と言えます。
認知症の入居者の場合、定時にどのような介護サービスが提供されるのか把握できている方が、安心しやすいケースもあります。
ですから、入居者にとってはスケジュールが決まっていることが不快とは限らないのです。
理想の介護は介護職員一人一人で違うように、入居者にとっても個々で違うということは念頭に起きましょう。